結局、超サイヤ人になれませんでした

From:山崎純平
草加のカフェより…

 

あなたは、子どもの頃に本気で信じていたことってありますか?

私はあります。

保育園の頃、超サイヤ人になれると思っていました。

本気です。

かなり本気です。

 

ドラゴンボールを見て、悟空が金色の髪になって、ものすごい強さで敵を倒す姿を見たとき、幼い私は思いました。

「これ、俺もなれるんじゃないか?」

なぜそう思ったのか。

 

今考えると、保育園児の発想力はすごいです。

根拠ゼロ。

でも自信だけは満タン。

当時の私は、家の中でこっそり修行をしていました。

まず、両手をグッと握ります。

足を肩幅に開きます。

そして、全身に力を入れて、

「うおおおおおおおお!」

と小さな声で叫ぶ。

 

 

大きな声で叫ぶと母に怒られるので、そこは現実的でした。

 

超サイヤ人を目指しているのに、母には勝てない。

どっちやねん!

鏡の前にも立ちました。

髪の毛が逆立っていないか確認します。

でも、そこに映っているのは、ただ顔を真っ赤にした保育園児。

髪は黒いまま。

目も青くならない。

オーラも出ない。

出ているのは、鼻息だけ。

うわぁ〜。

あんなに修行したのに。

まったく超サイヤ人になれませんでした。

悔しかったですね。

たぶん、当時の私なりに「怒り」が足りないのかなと思ったのでしょう。

 

悟空は怒りで超サイヤ人になっていましたから。

だから、無理やり怒ろうとしました。

「おやつが少なかった!」

「テレビを途中で消された!」

「靴下がうまく履けない!」

怒りの理由が小さい。

フリーザもびっくりです。

 

でも、保育園児の私にとっては大事件でした。

それでも金色にはなりません。

ただ機嫌の悪い子どもになるだけです。

今思うと、妻にこの話をしたら、きっと笑われます。

「純平くん、それ修行じゃなくて、ただ力んでただけじゃない?」

たしかに。

 

でも、あの頃の私は真剣でした。

真剣に信じていました。

自分も変われる。

自分も強くなれる。

昨日の自分とは違う姿になれる。

そう思って、力いっぱい踏ん張っていたのです。

 

大人になると、そういう気持ちは少しずつ薄れていきます。

「どうせ無理」

「自分にはできない」

「変わらない」

そんな言葉が、心の中に増えていきます。

でも、保育園の頃の私は違いました。

 

できるかどうかより、まずやっていました。

髪が金色にならなくても、次の日もまた修行していました。

今考えると、ちょっとかわいいです。

そして、ちょっと切ないです。

あなたもきっと、今までたくさん頑張ってきたと思います。

 

うつ病で体が動かない日がある。

朝起きるだけでしんどい。

周りから見れば何もしていないように見えるかもしれない。

でも、あなたの中では毎日、ものすごい力を使っているはずです。

保育園児の私が、誰にも見えないオーラを出そうとしていたように。

あなたも、外から見えないところで、ずっと戦ってきたのだと思います。

 

だから、超サイヤ人になれなくてもいいんです。

金色に光らなくてもいいんです。

今日をなんとか過ごせた。

それだけで、十分すごいことです。

 

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