08 よくある不支給理由
08 よくある不支給理由

「申請の手続きが難しそうで、考えるだけで疲れてしまう」 「もし断られたら、自分が否定されたようで怖い」
そんなふうに感じることありませんか?
まずお伝えしたいのは、障害年金の審査に通らないのは、あなたの病気が軽いからでも、あなたが悪いわけでもない ということです。
多くの場合、原因は「書類の書き方」や「制度の複雑なルール」にあります。
ここでは、よくある「不支給になってしまう5つの理由」と、今日から無理なくできる対策 をやさしく解説します。
最初に結論:これだけ知っておけば大丈夫
細かいルールはたくさんありますが、大切なのは次の3つだけです。
- 「入り口(保険料・初診日)」 を最初に確認する。
- 「診断書」と「申立書」の内容 をそろえる。
- 「できないこと・つらいこと」 を具体的に伝える。
これらを押さえるだけで、結果は大きく変わります。
第5位:年金事務所での誤った説明
どんなことが起きる?
最初の相談先として年金事務所に行くのは自然なことですが、窓口で「その条件だと難しいですね」と言われ、心が折れてしまう人がいます。
その瞬間、「否定されたみたいで怖い」「もうこれ以上は無理」と感じて、帰り道で考えるのを止めてしまう。
これは、珍しいことではありません。
知っておいてほしいこと
年金事務所の職員さんは「年金全般」の担当であり、必ずしも「うつ病の障害年金の専門家」ではありません 。
そのため、本当は使えるはずの「特例」や「免除」が見落とされ、一般的なルールだけで「無理」と案内されてしまうことがあります 。
対策:その場で結論を出さない
窓口でネガティブなことを言われても、「絶対にダメなんだ」と思い込まないでください 。
「一旦持ち帰ります」と言って、障害年金専門の社労士などに「本当に可能性がないか」を確認してもらうのが一番安全です 。
もし余裕があれば、窓口で言われた言葉(「どの条件がダメと言われたか」)をスマホのメモに1行でいいので残しておくと、あとで確認がしやすくなります。
思い出せなかったり、その場で言い返せなかったりしても大丈夫です。つらい状況で判断力が落ちるのは自然なことです。
第4位:「保険料納付要件」を満たしていない
どんなことが起きる?
うつ病で仕事ができなくなったり、封筒を開けるのが怖くなったりして、年金保険料が払えていない時期があるかもしれません。
障害年金には「一定期間、保険料を納めていること(または免除されていること)」という条件があるため、未納が多いと審査の土俵に乗れないことがあります 。
「払えなかった=自分が悪い」と感じやすいところですが、病気で生活が崩れると、ここでつまずくのは本当に起こりやすいです。
知っておいてほしいこと
「払えなかったこと」を自分を責める必要はありません。
ただ、制度上、ここをクリアしないと進めないのも事実です。
重要なのは、「未納」だと思っていても、「免除」の手続きをしていれば救済されるケースがある ということです 。
対策:記録を確認するだけ
まずは、自分の記憶で判断せず、年金記録を確認してみましょう 。
「未納だからダメだ」と決めつけず、専門家に相談することで、免除などの救済策が見つかることもあります 。
ここは「反省」ではなく「確認」です。確認さえできれば、次の選択肢が見えてくることがあります。
第3位:「初診日」が証明できない
どんなことが起きる?
「初めて病院を受診した日(初診日)」は、障害年金の申請でとても重要です 。
しかし、転院を繰り返していたり、時間が経ちすぎてカルテがなかったりして、「いつが最初かわからない」ということがよく起こります 。
「もう無理かも」と絶望しやすいポイントですが、初診日の確認は“思い出す勝負”ではありません。
対策:思い出そうとしなくてOK
つらい時期の記憶を無理に掘り起こすのは大変です。記憶に頼らず、「紙」 を探してみましょう。
- 一番よい方法:最初の病院に「受診状況等証明書」が取れるか電話で聞く 。
- カルテがない場合:診察券、お薬手帳、当時の給与明細、母子手帳、学校の記録など、「日付が入った資料」をかき集めることで、証明できる可能性があります 。
もし「最初の病院が思い出せない」場合は、今の病院やクリニックに「紹介元(最初にどこから来たか)」の記録が残っていないか聞いてみてください。
これだけでも手がかりになります。
思い出せないのは当然です。ここは“記憶”ではなく“記録”で進めて大丈夫です。
第2位:書類の内容に「矛盾」がある
どんなことが起きる?
医師が書く「診断書」と、自分で書く「申立書(病歴・就労状況等申立書)」。
この2つの内容が食い違っていると、「本当はもっと元気なのでは?」と疑われてしまうことがあります 。
ここがつらいのは、「嘘を書いたわけじゃない」のに、疑われたように感じてしまうことです。
- よくある矛盾の例
- 診断書には「外出できない」とあるのに、申立書には「週3回買い物に行っている」と書いている。
- 「働けない」と言いつつ、アルバイトのシフトに入っている。
対策:診断書と申立書の整合性を徹底する
審査は基本的に書類を見て判断します。
「たまに買い物に行ける」としても、それを「日常的にできる」と誤解されない書き方の工夫が必要です。
- 診断書を見ながら、同じ表現を使う(例:外出は困難だが、家族の付き添いがあれば可能、など) 。
- 「できたこと」だけでなく、「どれくらい疲れるか」「誰の助けが必要か」をセットで書く。
- 第三者(専門家など)に読んでもらい、矛盾がないかチェックしてもらう 。
「できた日」だけが切り取られると軽く見られます。
“できない日が基本で、できた日は例外” であることを、条件(誰と/どれくらい/反動)ごと書くと伝わり方が変わります。
第1位:診断書の内容が「薄い」
どんなことが起きる?
これは、不支給につながりやすい原因の1つです 。
医師は治療のプロですが、障害年金のプロとは限りません 。
診察室で少し元気に振る舞ってしまうと、先生は「家事は概ね可能(※審査では“できる側”に読まれやすい表現)」と書いてしまうことがあります。
これだけで「症状が軽い」と判断されることがあるのです 。
ここは、先生のせいでも、あなたのせいでもありません。
診察時間は短く、うつ病は波があり、言葉が足りないと“元気な瞬間”だけが残りやすいからです。
対策:主治医に「生活の様子」をメモで渡す
短い診察時間ですべてを伝えるのは難しいものです。
事前に「生活実態メモ」を作って、先生に渡してみましょう 。
- 食事:自分では作れない、食べ忘れることがある
- 入浴:週に1回しか入れない、家族に言われないと入れない
- 金銭:支払いが管理できない、浪費してしまう
このように「具体的な困りごと」をメモで渡すと、医師も診断書に反映しやすくなります 。
まとめ:あなたは一人じゃありません
障害年金の申請は、元気な人でも大変な手続きです。
不支給になってしまうのは、あなたの症状が軽いからではなく、「書類での伝え方」 が少しズレていただけかもしれません。
今のあなたにできることは、大きな一歩ではなく、小さな確認です。
- 「自分を責めない」(未納や記録がないのは、あなたのせいじゃありません)
- 「無理に思い出さない」(記憶より、残っている紙を探してみる)
- 「専門家を頼る」(複雑なことは、プロに任せて大丈夫です)
どうか、「自分には無理だ」と諦めてしまう前に、一度周りの力や専門家の知恵を借りてみてください。
あなたが本来受け取るべき権利を、正しく受け取れることを願っています。



